田邊 裕貴制作側する側でないとわからない見解も織り交ぜながらご紹介します。参考になれば幸いです!
「なぜあの動画はわかりやすいんだろう?」「どういうことを考えて制作しているのだろう?」と感じたことありませんか?
伝わる動画には、ちゃんと理由があります。
私が制作で意識していること、そしてお客様との制作を通じて気づいたこと—。
今回はそれを「構成・デザイン・動き」の3つに分けて、注意すべきポイントをご紹介します。
- 「構成」「デザイン」「動き」各工程で私が気をつけていること
- 「構成」「デザイン」「動き」各工程で注意すべきポイント
■ 記事の信頼性
この記事を書いている私は、アニメーション制作をして7年目。
企業アニメーションを中心に制作しています。
個人デザイナーとして活動し、企業や官公庁の多数の制作実績があります。
「伝わる動画」と「伝わらない動画」、何が違うの?
同じような内容なのに、なぜかスッと頭に入る動画と、何を言いたいのかよくわからない動画があります。その差は、作るときに積み重ねる小さなこだわりにあるかもしれません。
今回は、私がアニメーション制作で実際に意識していることを「構成・デザイン・動き」の3つに分けてご紹介します。
「動画を作ろうと思うけど、どう作ればいいかわからない」という方にとっても参考になれば嬉しいです。
【構成編】まず「伝えること」を絞り込む
動画がうまく伝わらないとき、「構成の段階」が原因かもしれません。
撮影や編集に入る前に、構成をしっかり固めることが何より大切です。
※構成はナレーションを考えることを含んでいます。
情報を入れ過ぎない
「せっかく作るのだから、あれもこれも伝えたい!」という気持ち、とてもわかります。
でも情報が多いほど、見る人の理解度は下がり、頭に残りにくくなってしまいます。
私も普段制作の初めの段階で一番多く目にするのが「情報の詰め込み過ぎ」です。
- 伝えたいことを全部入れようとして、想定の尺に全く収まらない。
- 「3分でお願い」と依頼されたのに、構成内の情報量を見ると5分以上は必要そう。
「この動画で伝えたいことは何か?」最初に伝えたいことの優先順位を決めること。
それだけで構成はわかりやすく、簡潔になります。
動画は長くしすぎない
よほど興味があるコンテンツでないかぎり、人は長い動画を最後まで見ません。
あとはセミナーや会社説明会など、半強制的に見る場合もありますね。
「短いから見てみよう」と思ってもらえることも大事です。
目的・用途によりますが、サービス紹介・説明系の動画なら2分くらいまでが理想に感じます。
実は「短く作る」のは意外と難しいです。
だからこそ、最初の構成段階で「何を削るか」を決めることが重要です。
説明し過ぎない
専門的な内容ほど「ちゃんと説明しなきゃ」という意識が働いて、どんどん難しくなりがちです。
でも動画を見ている人は、難しい説明を聞き続ける集中力を持っていないことが多いです。
「難しいことをしっかり説明」ではなく、「わかりやすい言葉に置き換える」意識も大切。
- しっかり説明しようとして、どんどん長くなる。
- 同じことを言い方を変えながら何度も繰り返して伝えている。
動画の絵作りを経験してみないとわからないと思いますが、お客様から頂いたナレーション案を絵にしようとした時、似たような絵が何度も出てくることがあります。
つまり同じようなことを繰り返し伝えてしまっている可能性があるということです。
その場合は同じ意味合いの部分とまとめたり、思い切って削ってしまったりと相談して進めています。
【デザイン編】「一目見てわかる」画面を作る
構成が固まったら、次は画面のデザインです。
動画のデザインで意識していることは「見る人にわかりやすくする」こと。
あとは前者とのバランスが難しいですが「画面が退屈していないか?」です。
画面上の文字は最小限・簡潔に
スライドや資料と動画の大きな違いは「読む時間が制限される」ことです。
動画の文字は「読む」ものではなく、「流れの中で受け取る」ものです。
長い文を画面に置いても、読み終わる前に次のカットへ進んでしまいます。
パッと見て意味がわかる長さ・文量を意識しています。
絵で伝える、文字は補足
アニメーションの強みは「絵で動きや表現できる」ことです。
文字ばかりの動画になってしまうと、それはもはや「動くスライド」。
「この情報、絵に置き換えられないか?」を常に考えています。
文字は絵の補強・補足として使うのが基本のスタンスです。
難しい内容の場合も多々ありますけどね…😅
同じようなカットを続けない
似たような絵柄や構図のカットが続くと、どうしても飽きられてしまいます。
引きと寄り/図とキャラクター/アイコンとテキスト/背景色など、画面の見え方を意識的に変えるようにしています。
「画面が退屈していないか?」とも関係してくるポイントです。
全体の統一感を大切に
フォント・色・イラストのタッチがバラバラだと、全体としての軸や印象がぶれてしまいます。
「デザイン的に微妙だな」と感じる原因の一つがだったりします。
最初に全体で使用するカラーを決めて、そこからぶれないように制作を進めています。
企業・商品のイメージに合っているか
柔らかい雰囲気が似合うブランドもあれば、クールで洗練されたトーンが必要な企業もあります。
デザインの方向性は、ヒアリングはもちろんのこと、企業や商品の雰囲気、既存のWebサイトなど参考にしながら決めていきます。
「なんかイメージと違った…」を防ぐために、制作前のヒアリングと方向性の確認を大切にしています。
【動き編】「心地よく、意味のある動き」をつける
構成とデザインが固まったら、最後はアニメーションをつける工程です。
ここが楽しい部分でもあり、動画が長いとしんどいところでもあります😅
意味を伝わりやすくする動き
なんとなく動きを付けるのではなく、なるべく動きにも理由を持たせるようにしています。
増加を表すときは上に伸びる、繋がりを表すときは線が結ばれる、という単純な部分。
また大きくなるのか、小さくなるのか、動いていく方向など。
こうした「動きの意味」や「動きの統一性」を積み重ねることで、見ている人は意識せずに情報を受け取りやすくなるのではないでしょうか。
冒頭は興味を惹けるような動きや絵作りをする
冒頭の数秒は動画で一番大切な場所です。
見る人が「これは何だろう?」「続きが気になる」と思ってくれるような絵作り・テンポ感・問いかけを、冒頭に持ってくるように意識しています。
ここで心をつかめれば、その後の続きを見てもらいやすくなります。
なめらかさや心地よい動き
カクカクした動きや、急すぎる、逆に遅すぎるアニメーションは、見ていて違和感を感じてしまいます。
「なんか心地いいな」と思ってもらえる動きは、細かい動きの加速・減速の設定やタイミングから生まれています。地味な部分ですが、ここの丁寧さがクオリティに大きく影響します。
画面が退屈していないか?
【デザイン編】でも少し触れましたが、動きのない画面が5秒程度続くだけで退屈な印象を与えてしまいます。
また私もお客様から指摘を受けることもありますが「このシーンの背景が寂しいので工夫して欲しい」といった修正依頼です。
時々このような修正指示を頂きますが、「デザイン」「動き」の2つの観点から、画面が退屈しないよう意識して制作をしています。
豆知識:動画の暗黙ルール
無意識のうちにそう捉えてしまう。
動画にはそんな「暗黙のルール」があります。
左右の方向
「左から右への動き」を自然でポジティブと感じます。(すみません、理由は調べてみてください!)
フローや時系列も「左が過去、右が未来」で制作すると直感的に伝わり、逆向きにすると無意識に違和感が生まれてしまいます。
また、画面の右側は「上位・強い」という意味合いもあります。
舞台の「上手・下手」と同じ意味合いですね。
上下の方向
上はポジティブ・成長・強さ、下はネガティブ・衰退・弱さを表します。
グラフが右肩上がりで「成長」を感じるのも、この感覚と一致しています。
- 左→右は「前進・未来・ポジティブ」、右→左は「後退・過去・ネガティブ」
- 画面左(下手)が主人公・強者、画面右(上手)が相手・弱者
- 上は「ポジティブ・成長・強さ」、下は「ネガティブ・衰退・弱さ」
- 大きくなる(拡大)→強さ・圧迫感、小さくなる(縮小)→弱さ・解放感
必ずこうしないといけないという訳ではありませんが、このような「暗黙の決まり」を知っているだけで、見る人が無意識にスッと理解しやすい動画になると思います。
「伝わる動画」には、理由がある
構成・デザイン・動きの3つが揃って、初めて「伝わる動画」になります。
どれか一つが崩れると、全体のクオリティに影響してしまいます。
逆に言えば、これらを意識するだけで、伝わり方や完成度はぐっと変わります。
私は普段アニメーション動画を制作していますので「こんな動画を作りたいけど、どうすればいいかわからない」という方は、まずは気軽にご相談ください。
「こんな動画が作りたい!」という声を、お待ちしています。









