田邊 裕貴動画を見た時感じる「面白い」という気持ち。
どのような心理的な理由があるのか深掘りしました。
AIの普及で、誰でも動画が作れる時代になりました。数年前まで専門知識や技術が必要だった作業が、今はツール一つで形になります。
そうなると次に問われるのは「技術」ではなく「企画」です。同じ機能・同じクオリティで作れる時代だからこそ、「面白いかどうか」の差が、これまで以上にはっきり出てくると感じています。
私自身、企画・シナリオから携わる中で、「面白さ」にはずっとこだわりを持ってきました。今回は少し視点を変えて、「なぜ人は面白いと感じるのか」「逆になぜ離脱してしまうのか」を、心理的な観点から分解してみようと思います。
今回はしつこいくらい欲求の例と面白くないと感じる理由を挙げているので、恐ろしく長いです!
ですが、Youtube動画だけでなく、映画やドラマを分析する際に役立つ視点なので、是非読んでいってください😄
- 「面白い」と感じる心理的な動機
- 逆に「面白くない」と感じてしまう原因
- 企画・構成に落とし込むときの考え方
■ 記事の信頼性
この記事を書いている私は、アニメーション制作をして7年目。
企業アニメーションを中心に制作しています。
個人デザイナーとして活動し、企業や官公庁の多数の制作実績があります。
面白いと感じる心理
映画・ドラマ・YouTube・TikTok・SNS動画などを「見始めたときに、なぜ面白いと感じて、そのまま見続けるのか」を心理的な観点から分解すると、かなり多くの「面白いのスイッチ」があります。
「面白い=笑える」ではなく、「知りたい」「共感した」「怖い」「気になる」「自分ならどうする?」「続きを見ないと気持ち悪い」「この人どうなるの?」など、様々な心理状態が「面白い」に変換されます。
まず「面白い」を分解すると
動画を見ているときの「面白い」は、以下のような流れで起こります。
「何だろう?」「なぜ?」「自分に関係ある」「結果を知りたい」
「たぶんこうなる」「自分ならこうする」「犯人はこの人だろう」
「えっ、違うの?」「なるほど!」「思ってたのと違う」
「面白い!」「怖い」「笑う」「感動する」「腹が立つ」「応援したい」
「じゃあどうなる?」「なぜ?」「この人はどうする?」
「じゃあ次はこうなるんじゃない?」
見続けると言うことは、この小さなループを何度も回している状態であると言えます。
上記のステップを元にこのような5段階で考えると、「面白さ」を設計できるのではないでしょうか。
【欲求】なぜ知りたい?
↓
【参加】何を予想させる?
↓
【刺激】どう揺さぶる?
↓
【感情】何を感じさせる?
↓
【次の欲求】次に何を知りたくさせる?
そして各ステップを動かすための材料・エンジンになるのが人間の持つ「欲求」です。
「欲求」には本当に多くのものがあるので、今回は私自身のアイディア出しにも使いたいので「もういいよ」ってくらい挙げて説明します!
①「知りたい」
まずは最も基本的な面白さです。
皆さんも思い当たるのではないでしょうか?
映画でもYoutube動画でも、先が読めずワクワクする展開があるかもポイントになります。
この先どうなる? なぜこうなった? 犯人は誰? この人は何を考えている? 結末は? この謎の正体は? この情報は本当なの?
人間には、「情報の空白を埋めたい」欲求があります。
例えば、「実は、この後とんでもないことが起きます」と言われると、「何が起きるの?」という未解決状態が生まれます。この状態を解消するために、続きを見たくなる。これは物語の「謎」だけでなく、How to・解説・ドキュメンタリー・ゴシップ・ミステリー・商品レビュー・ビフォーアフターなどにも使えます。
②「予想したい」
単純に答えを知りたいだけではありません。「自分の予想は当たるかな?」という楽しさです。
例えば、「この中で一番売れる商品はどれ?」「犯人はこの3人のうち誰だと思う?」など。
視聴者が受動的ではなく、頭の中で参加者になるということです。
人間は未来を予測することで環境を理解しようとします。だから、予測 → 結果 → 答え合わせが非常に気持ちいい。
クイズ、スポーツ、恋愛ドラマ、推理作品、ドッキリなどもこれに当たります。
③「答え合わせしたい」
これも重要です。「この人、絶対こうするだろう」と思ったあとに、本当にそうなった!あるいは、え、そっちなの?となる。どちらも面白い。つまり、予測が当たっても面白いし、外れても面白いのです。
重要なのは、完全に予想通りでも、完全に意味不明でもダメということ。「予想できそうだけど、ちょっと外れる」くらいが気持ちいい。
私は映画のレビュー動画を見るのが好きなのですが、ストーリーが完全に予想通り、逆に意味不明だと批判されている印象です😅
④「意外!」という驚き
意外性が重要なことは皆さんも理解できるかと思います。ただ適当に訳の分からない展開を考えれば良いという訳ではありません。そこが難しいところですね。
え? そうなるの? 意外! そんなことある? この人が? その方法か!
脳は常に「次に何が起きるか」を予測しています。その予測と現実にズレが生じると、強い注意が向きます。つまり、予想との差=刺激です。
ただし、「予想外」なら何でも面白いわけではありません。意味不明な展開は、「何これ?」で終わります。面白い意外性には、「なるほど、そういうことか」という理解が伴います。
⑤「共感したい」
これは非常に強い欲求で、動画やSNS投稿を考える上でもよく耳にするポイントです。
わかる! 自分もこうなる あるある この気持ちわかる この人、自分に似ている 昔の自分みたい
他人の感情や状況を自分の経験と照合することで、「自分のこととして処理する」ことができます。例えば、「上司から突然『ちょっといい?』と言われる会社員」という動画。大事件ではなくても、「うわ、嫌な予感する」となる。これは自己関連性が高いからです。
⑥「自分を投影したい」
共感よりさらに一歩進んだ状態です。「もし自分だったら?」です。例えば、恋愛ドラマ・転職・復讐・成功物語・異世界・起業・サバイバルなど。視聴者自身が主人公の位置に入り込む状態です。
「物語を見る」から「自分だったらどうするか考える」に変わります。
⑦「感情を味わいたい」
これは「情報を得る」こととは全く違います。人間は、感情そのものを楽しむためにコンテンツを見ることがあります。例えば、泣きたい・笑いたい・怖がりたい・スカッとしたい・胸キュンしたい・感動したい・興奮したい・癒やされたい・驚きたい、など。
つまり、「何が起きるか」より「どんな気持ちになれるか」が目的になる。ホラー映画が典型的です。「怖いから嫌」ではなく、「怖い感覚を安全な場所から味わいたい」という欲求があります。
⑧「スカッとしたい」
SNS動画では特に強力な欲求です。
例えば、「主人公が理不尽な目に遭う→視聴者が怒る→相手が追い詰められる→主人公が逆転する」という構造。視聴者は、怒り → 緊張 → 解放を体験します。最後の解放感が気持ちいい。
「ざまぁみろ」「逆転」「勧善懲悪」
⑨「安心したい」
意外ですが、面白さには安心も含まれます。
例えば、料理動画・ルーティン動画・ASMR・動物動画・整理整頓・掃除・街歩き・日常Vlogなど。
大事件が起こらなくても、「この世界を眺めていたい」という心理があります。刺激ではなく、予測可能性と心地よさが価値になる。
⑩「癒やされたい」
これは「安心」と似ていますが少し違います。
かわいい❤ 優しい 心地いい 見ているだけで楽しい
特に、赤ちゃん・動物・子供・キャラクター・優しい人・小さなもの、などは強い。ここでは「情報量」より、感情的な心地よさが重要です。
⑪「続きを見ないと気持ち悪い」
これは動画コンテンツでは極めて重要です。
例えば、「このあと、彼女がありえない行動に出ます」と途中で止める。すると、「何をしたの?」という未完了状態が発生します。これは心理学で有名なツァイガルニク効果と関連します。
人間は、完了したものよりも、未完了のものを意識に残しやすい傾向があります。だから、未解決の問題は視聴継続の強力なエンジンになります。
⑫「秘密を知りたい」
これは「知りたい」と似ていますが、さらに強い欲求。「自分だけが知らない」という状態です。
例えば、「実はほとんどの人が知らない○○」「業界人しか知らない裏側」「誰にも言っていない秘密」など。ここには、情報格差が入っています。「自分だけ知らない」という状態は、人間にとってかなり気になる。
⑬「覗き見したい」
例えば、他人の生活・他人の恋愛・他人の家・裏側・舞台裏・有名人の日常・他人の失敗など。これは、本来なら見られないものを見るという疑似的な社会参加です。「他人の人生を覗く」という行為そのものがコンテンツになります。
この欲求はゴシップ記事がよく見られる要因でもありますね。
⑭「人間を知りたい」
物語で強い動機です。
例えば、「この人はなぜこんなことをするのか?」という疑問。
事件そのものより、人間の心理に興味が移る。だから優れたドラマでは、「何が起きるか」だけではなく、「この人はなぜそうするのか」が重要になります。
⑮「キャラクターの行く末が気になる」
これは物語への愛着です。最初は、「このドラマ面白い」だったものが、途中から、「このキャラクターがどうなるか見届けたい」に変わります。ここまで来ると非常に強い。
ストーリーではなく、人物への愛着が視聴継続を支える状態です。
映画や漫画などで登場人物の過去回想で人物に愛着が湧くことありませんか?まさにそれです!
⑯「応援したい」
この人に成功してほしい 幸せになってほしい 勝ってほしい 助かってほしい 成長してほしい
これは疑似的な社会的関係を作ります。
スポーツ選手、アイドル、YouTuber、主人公などに対して、「頑張れ!」という感情が生まれる。すると、その人物の結果を確認するために見続けます。
⑰「成長を見たい」
特にシリーズものでは強力です。
最初は、「何もできない」から始まり、努力→失敗→成長→成功、という変化。
人間は変化そのものに興味を持ちます。
だから、「1年前の自分」「現在の自分」の比較動画なども強いです。
⑱「比較したい」
人間は非常に比較好きです。
例えば、東京 vs 大阪、昔 vs 現在、高級 vs 激安、初心者 vs 上級者、A vs Bなど。比較すると、違いを見つけるというゲームが始まります。
⑲「順位を知りたい」
ランキングもこれです。1位は? 一番人気は? 最も危険なのは? 一番コスパがいいのは? 人間は複数の情報を整理して、「結局どれが一番?」と知りたくなります。
⑳「自分の判断が正しいか確認したい」
例えば、「この映画は面白いと思っている」→レビューを見る。これは単なる情報収集ではなく、自分の意思決定を正当化したいという心理でもあります。
「やっぱりこれでよかった」と思えると気持ちいい。
㉑「知らない世界を体験したい」
これは映画・ドキュメンタリー・Vlogなどで強い欲求です。
例えば、海外旅行・高級レストラン・裁判・警察・医療・芸能界・裏社会・宇宙・歴史・職人など。自分が直接経験できない世界を、疑似体験できます。
㉒「自分の世界を広げたい」
「知らない世界」と少し違います。
こちらは、「知識が増える自分が好き」という動機。つまり、コンテンツそのものだけでなく、自分自身の成長が報酬になる。解説系YouTubeなどが強い理由です。
㉓「役に立つ情報を得たい」
実用性です。お金・健康・仕事・恋愛・投資・料理・DIY・技術など。
ただし、役に立つ=面白いではありません。「役に立ちそう」と思った瞬間に初めて注意が向きます。
㉔「損したくない」
これは非常に強い心理です。
例えば、「知らないと損する」というタイトル。人間には損失回避の傾向があります。「1000円得する」より、「1000円損する」のほうが心理的インパクトが大きくなりやすい。
だから、「知らないと損」は強いフックになります。ただし、乱用すると胡散臭くなります。
㉕「危険を疑似体験したい」
ホラー、事故映像、サバイバル、犯罪ドキュメンタリーなど。
人間は危険に関する情報を優先的に処理する傾向があります。なぜなら、危険を知ることは生存に役立つからです。そのため、「怖いものなのに見てしまう」という現象が起こります。
㉖「タブーを覗きたい」
普段話してはいけないこと 禁止されていること 人には聞けないこと 裏事情 秘密 恥ずかしいこと
「見てはいけない」と感じるほど、逆に注意が向くことがあります。
ただし、単純な「禁止すれば興味が増える」という話ではなく、新奇性・希少性・社会的意味などが組み合わさることで強くなります。
㉗「笑いたい」
これは単純ですが、かなり奥が深い。
笑いには、予想 → ズレ → 理解という構造がよくあります。
「こうなると思った」→「え、そっち?」→「なるほど🤣」。
つまり笑いも、予測と現実のズレを利用していることが多い。
㉘「優越感を感じたい」
例えば、常識クイズ・間違い探し・素人の失敗・実は知らない人が多い・自分だけ答えを知っている、など。
視聴者が、「自分は分かった」と思う。この有能感が快感になります。ただし、他人を馬鹿にする方向に行くと不快感も生みます。
㉙「有能感を得たい」
これはもっと健全な形です。
例えば、「この問題、あなたなら解けますか?」→考える→正解→「やった!」。
視聴者自身が参加して成功する。つまり、コンテンツが視聴者に小さな成功体験を与える状態です。
㉚「選択したい」
「あなたならどっち?」「AとB、どちらを選ぶ?」など。
これは視聴者を観客から参加者へ変える仕掛けです。
㉛「自分を発見したい」
性格診断などが典型です。「あなたはどのタイプ?」という問い。
人間には、「自分とは何者なのか知りたい」という自己認識欲求があります。だから、MBTI・性格診断・恋愛タイプ・職業適性・心理テストなどは強いコンテンツです。
㉜「所属したい」
SNSでは特に重要です。
例えば、SNSで「これ分かる人いますか?」という投稿に「私わかります!」と返信する。
すると、「自分もこのコミュニティの一員だ」という感覚が生まれます。「○○好きなら分かる」「フリーランスなら分かる」なども同じです。
㉝「誰かと共有したい」
面白いコンテンツを見ると、「これ、あの人に見せたい」となることがあります。
つまり面白さには、自分の中で完結する面白さと他人に伝えたくなる面白さがあります。SNSでは後者が非常に重要です。
㉞「会話のネタが欲しい」
「昨日これ見たんだけどさ」というやつです。コンテンツが、社会的な会話の材料になります。
そのため、驚き・珍しい情報・共通体験・賛否が分かれる話・意外な事実などはシェアされやすい。
㉟「自分の価値観を確認したい」
例えば、「こんな上司、許せる?」という動画を見て、「いや、これは許せない」となる。これは、自分は何を大切にしている人間なのかを確認する行為でもあります。
㊱「議論したい」
SNS動画では非常に強い欲求。
「これって普通?」「あなたはどう思う?」という問い。答えが一つではないと、コメントしたくなる。ここでは「面白い」の目的が、視聴する → 意見を持つ → 発言するへ変わります。
㊲「怒りたい」
これもコンテンツ消費の動機になります。理不尽・不公平・裏切り・マナー違反・社会問題など。
怒りは強い覚醒状態を作るため、注意を引きやすい。ただし、怒らせれば良いという単純な話ではなく、怒りのあとに理解・共感・解決・議論などがあるとコンテンツとして成立しやすくなります。
㊳「泣きたい」
これは一見不思議ですが、悲しい感情を安全な環境で体験したいという欲求があります。
映画を見て泣くことで、感情を動かす→解放する→すっきりする、という体験ができます。
㊴「ノスタルジーを感じたい」
昔のCM・昔のゲーム・昔の街・子供の頃の音楽・昔のテレビなど。これは単なる懐古ではなく、「過去の自分」と再接続する体験です。
㊵「自分の人生を重ねたい」
例えば、「40代になって分かったこと」など。コンテンツを見ながら、「自分もこうだったな」となる。ここではコンテンツが、自分の人生を振り返る鏡になります。
㊶「成長を確認したい」
昔の動画を見る→「昔はこんなことしてたな」→「今は全然違う」という自己比較。
コンテンツを見ることが、自己成長の確認になります。
㊷「現実から逃げたい」
これはかなり重要です。
仕事を忘れたい 面倒なことを考えたくない ストレスから離れたい 別世界に入りたい
映画、ゲーム、漫画、SNSなどが提供する、現実からの心理的離脱です。
㊸「暇を埋めたい」
これは「面白い」とは少し違います。「暇だから見る→たまたま面白い」というパターン。
特にTikTok、Instagram Reels、YouTube Shortsなどでは、目的なしの視聴が大量に発生します。
㊹「次に何が出るか分からないこと自体が楽しい」
SNSの無限スクロールが典型です。次の動画が、面白いかもしれない・驚くかもしれない・好きなものかもしれない、という不確実性。
つまり、「次の報酬がいつ来るか分からない」こと自体が視聴を続ける力になります。
㊺「偶然の発見をしたい」
「自分で探したわけではないのに面白いものを見つけた」という体験。これはSNS特有の面白さです。
検索では、欲しいものを探す。SNSでは、欲しいと思っていなかったものを発見することがある。
㊻「新しいものを見たい」
新奇性です。人間は、未知のものに注意を向けます。
ただし、新しすぎる→理解できない、古すぎる→飽きる、なので、「知っている世界の中に少しだけ未知がある」くらいがちょうど良いです。
㊼「世界を理解したい」
これはかなり根源的です。例えば、「なぜ日本の電車は時間通りなのか?」「なぜこの会社は成功したのか?」など。
単なる雑学ではなく、世界の仕組みを理解したいという欲求です。
㊽「因果関係を知りたい」
人間は、Aが起きた→なぜ?→Bが原因だった、という因果関係を好みます。
だから、「○○した結果、人生が変わった」という構造は強いです。
㊾「伏線を発見したい」
映画やドラマでは非常に強い。最初は意味不明だったものが、後から、「あれ、そういう意味だったのか!」とつながる。この瞬間には、理解・驚き・達成感が同時に発生します。
㊿「パターンを発見したい」
例えば、「実はこの3つには共通点があります」というコンテンツ。
人間はバラバラの情報から、パターンを見つけることに快感を感じます。
ここまでをさらに大きく分類すると
ひつこいくらい欲求の具体例を挙げました…😅
実は50個くらいの動機を整理すると、かなり少数の「共通項」にまとめられます。
- 認知的欲求「頭を使いたい」
知りたい・理解したい・予測したい・推理したい・答え合わせしたい・パターンを見つけたい・謎を解きたい・比較したい・学びたい - B. 感情的欲求「感情を動かしたい」
笑いたい・泣きたい・怖がりたい・驚きたい・感動したい・癒やされたい・スカッとしたい・胸キュンしたい・怒りたい - C. 社会的欲求「人とつながりたい」
共感したい・所属したい・誰かと共有したい・議論したい・会話のネタが欲しい・他人の生活を知りたい・他人の評価を知りたい - D. 自己関連欲求「自分について知りたい」
自分に重ねたい・自分ならどうするか考えたい・自分の価値観を確認したい・自分の能力を試したい・自分の成長を確認したい・自分のタイプを知りたい - E. 報酬・快楽「気持ちよくなりたい」
面白いものを見たい・快感を得たい・達成感を得たい・スカッとしたい・驚きたい・新しい刺激が欲しい・次の報酬を期待したい - F. 安全・生存「危険を理解したい」
危険を知りたい・他人の失敗から学びたい・社会のルールを知りたい・危険人物を見分けたい・問題を回避したい - G. 現実逃避「今いる世界から離れたい」
別世界に行きたい・現実を忘れたい・ストレスから離れたい・暇を潰したい・非日常を味わいたい
動画が「面白い」と感じる瞬間にはもう一つ重要な軸がある
「予測可能性 × 意外性」
これがかなり重要です。
- 完全に予測できる:「主人公が歩きます。家に帰ります。寝ます。」→退屈
- 完全に予測不能:「主人公が歩いたら突然宇宙が爆発しました。」→意味が分からない
- 予測できるけど、少し外れる:「主人公が家に帰ると思ったら、なぜか隣人の家に入ってしまった。」→気になる
- 予測できると思ったら、大きく裏切る:「犯人はAだと思っていた。でも実はAが犯人を追っていた。」→かなり面白い
つまり、面白さは「予測可能性」と「予測不能性」のバランスの上に生まれると考えると、映画からSNS動画まで面白さの理由が分析できます。
さらに「面白い」は時間とともに変化する
ここが動画制作ではかなり重要です。例えば最初は、
0〜3秒:「何これ?」→3〜10秒:「どういうこと?」→10〜30秒:「なるほど」→30〜60秒:「この先どうなる?」→中盤:「この人どうなるんだ?」→終盤:「こうなってほしい!」→結末:「そういうことだったのか!」
というように、視聴者の心理的な目的そのものが変化します。
かなり重要な「面白さの変換」
優れたコンテンツでは、知りたいだけで始まったものが、共感する→応援する→心配する→結果を見届けたいに変化します。
つまり、「情報への興味」から「人物への興味」へ移行するわけです。これは映画・ドラマだけでなく、YouTubeのシリーズ企画でも非常に強い構造です。
SNS動画の場合はさらに別の要素が加わる
短尺動画では、「面白いかどうか」以前に「見る理由があるか」が重要です。
視聴開始直後に「これは自分に関係ある?」「何が起きるの?」「結末が気になる」「知らないと損?」「意外なことが起きそう」「この人どうなる?」「自分ならどうする?」のどれかが成立すると、視聴者の脳内に視聴する理由ができます。
そして最も強いのは「複数の欲求が同時に動く動画」
例えば、「台湾人の妻に、日本の○○を初めて食べてもらった」これだけでも、未知+比較+人間への興味+結果を知りたい+共感+意外性が入ります。
さらに、「台湾人の妻が絶対に嫌がると思っていた日本食を食べてもらったら、まさかの反応だった」なら、予測+不確実性+感情+答え合わせ+意外性が追加されます。そうなると強いコンテンツになっていきます。
最終的に「面白さ」を数式っぽく考えるなら
かなり乱暴にモデル化すると、こう考えられます。
面白さ ≒ 自己関連性 × 感情強度 × 好奇心 × 意外性 × 理解可能性 × 報酬期待
さらに視聴継続なら、こう考えると分かりやすいです。
視聴継続意欲 ≒「次を知りたい」+「感情的に気になる」+「自分に関係がある」+「まだ答えが出ていない」
特に重要な「面白い」の20大動機
動画制作に使いやすい形に圧縮すると、私はこの20個を基本パターンとして考えます。
| 動機 | 視聴者の頭の中 |
|---|---|
| 1. 知りたい | 「何?」 |
| 2. 理解したい | 「なぜ?」 |
| 3. 続きを知りたい | 「この後どうなる?」 |
| 4. 予想したい | 「たぶんこうなる」 |
| 5. 答え合わせしたい | 「当たった?」 |
| 6. 驚きたい | 「えっ!」 |
| 7. 共感したい | 「分かる!」 |
| 8. 自分を重ねたい | 「自分だったら?」 |
| 9. 感情を味わいたい | 「泣きたい・笑いたい」 |
| 10. 応援したい | 「頑張れ!」 |
| 11. 成長を見たい | 「どう変わる?」 |
| 12. スカッとしたい | 「やり返してくれ!」 |
| 13. 危険を知りたい | 「怖いけど見たい」 |
| 14. 秘密を知りたい | 「裏では何が?」 |
| 15. 他人を覗きたい | 「この人の生活を見たい」 |
| 16. 比較したい | 「どっちが上?」 |
| 17. 自分を試したい | 「自分なら分かる?」 |
| 18. 所属したい | 「これ分かる人いる?」 |
| 19. 発見したい | 「こんなの知らなかった!」 |
| 20. 現実から離れたい | 「別の世界に行きたい」 |
そして、動画制作の観点で特に面白いのは、「面白い動画を作る」ではなく、「視聴者の頭の中にどんな質問・感情・予測を発生させるか」から逆算することです。
たとえば冒頭3秒を考えるときも、「インパクトのある映像を置こう」ではなく、「この3秒を見た人の頭の中に、どんな未解決の問題を発生させる?」と考える。この発想にすると、映画・ドラマ・YouTube・TikTok・広告・アニメーションまで、かなり共通した設計原理として整理できます。
特に動画やSNS動画に落とし込むなら、次の段階として「この50種類の動機を、①冒頭フック ②中盤の引き ③オチ・結末 ④シェアしたくなる理由」の4段階に整理すると「面白さ設計表」にできます。
面白くないと感じる心理
「なぜ面白くないのか」を分解したほうが、意外と動画の内容を考える上で役立つかもしれません。
「面白くない」は単純に「内容がつまらない」のではなく、心理的には、見る理由が発生しない、期待が生まれない、感情が動かない、理解するための負荷が高い、見続けるメリットがないという複数の状態に分けられます。
まず「面白くない」の全体像
視聴者が動画を見たとき、理想的には、刺激 → 興味 → 期待 → 感情 → 次への欲求 → 視聴継続となります。
逆に面白くない動画では、以下の例のようにどこかでこの流れが切れます。
・「何これ?」 → 「……別に知りたくない」 なら終了
・「面白そう」 → 「でも結末が分かる」 → 「もういいや」 でも終了
①「見る理由がない」
最も根本的な問題です。視聴者は「で、何?」となる。
内容自体が悪いとは限りません。
例えば「今日は東京駅に行きました」だけでは、心理的に「自己関連性」が低く「なぜ見る必要があるの?」が発生しません。
人間は、自分に関係のある情報を優先します。だから、「東京駅に行きました」より、「東京駅で絶対に迷わない方法」のほうが、「自分に関係がある」となります。
②「知りたいことがない」
動画内に情報があっても、疑問が発生しないと見続ける理由が弱くなります。
例えば、「日本のマンションには管理組合があります。」だけでは、「そうなんだ」で終わる。
一方、「なぜ日本のマンションは、住民が自分たちで建物を管理しているの?」なら、「なぜ?」が生まれます。
③「先が予想できすぎる」
これはドラマでもSNSでも非常に大きいです。最初の数秒で、「ああ、最後はこうなるね」と分かってしまう。すると脳が、「続きを見ることで得られる新情報が少ない」と判断します。
④「逆に意味が分からない」
これは反対側の失敗。意外性を狙いすぎると、「???」となります。
例えば、普通の会社員→突然宇宙船→犬が社長→宇宙船爆発、となっても「予想外」ではあります。でも、意味のある予測更新ができない。そのため面白さではなく混乱になってしまいます…
⑤「意外性がない」
人間の脳は予測をしています。ずっと、予測 → 予測通りだと刺激が減ります。
例えば、「今日は雨でした」→「傘を持って出かけました」→「濡れませんでした」。
これは完全に予想通りで、脳への刺激がない状態です。
⑥「意外性はあるが、意味がない」
ここはかなり重要です。意外性 ≠ 面白さです。
例えば、「突然画面が真っ暗になる」は意外。でも、「だから何?」となる。
良い意外性は「予想外」+「意味がある」です。
ここはわかっていても考えるのは難しいですよね🤔
⑦「答えが簡単すぎる」
謎を提示しても、1秒で答えが分かる。すると、「考える必要がない」となります。
クイズなら、「1+1=?」だけでは刺激が弱い。逆に難しすぎてもダメ。
ここでも、ちょっと考えれば分かりそうくらいが重要です。
⑧「答えが出ない」
逆方向もあります。ずっと、「なぜ?」「どうして?」「実は……」と引っ張るだけで結局、答えがない。
これは視聴者に、「引っ張られただけだった」という感覚を与えます。短期的にはクリックされても、長期的には信頼を失います。
⑨「情報量が多すぎる」
これは特に解説動画で起こります。視聴者は「情報はいっぱいある。でも何を覚えればいいの?」となる。心理的には認知負荷が高い状態になってしまいます。
⑩「情報量が少なすぎる」
逆もあります。「今日は○○について紹介します。」→説明→説明→説明→終了。内容が薄い。
視聴者からすると、「これ、別に見なくてもよかったな」となります。
⑪「理解するのに疲れる」
例えば、専門用語が多い、前提知識が必要、話が飛ぶ、主語が分からない、時系列が複雑、登場人物が多い、など。この状態では、面白いかどうかを判断する前に疲れる。
映画や漫画でも設定が複雑過ぎて見続けるのをやめてしまうことありませんか?それがこの問題です。
⑫「感情が動かない」
これは非常に大きいです!皆さんも聞いたことあるとは思います。
情報としては正しい。映像も綺麗。編集も上手い。でも、「ふーん」で終わる。これは、感情的報酬がない状態です。
⑬「自分に関係ない」
例えば、「ある企業の社内制度が変更されました。」その企業の社員でなければ、「だから何?」となる可能性があります。そこで、「あなたの会社でも同じことが起こるかもしれません」と自己関連性を作ると変わります。
⑭「登場人物に興味が持てない」
映画・ドラマでは特に致命的。視聴者が、「この人がどうなっても別にいい」と思ってしまう。
するとストーリー上の危機も、危機として感じられません。
面白くない映画やドラマにありがちな理由のひとつです。
⑮「共感できない」
ただし「共感できない=悪い」ではありません。重要なのは、理解できることです。
例えば、「この人の考え方は自分と違う」でも、「なぜこの人がそう考えるのかは分かる」なら興味が続きます。逆に、行動原理が理解できないと感情移入しづらくなってしまいます。
⑯「主人公に目的がない」
これは物語で非常に大きく、映画やドラマで面白くない時「このことか!」と気付くと思います。
主人公が、「何となく毎日を過ごしています」だけだと、視聴者も、「この先何を見るの?」となります。主人公の目的があると、「この人は達成できるのか?」という未来への興味が生まれます。
⑰「問題がない」
物語には、何かしらの問題が必要です。
例えば、主人公「会社に行きます」で終了。ではなく、主人公「会社に行ったら、今日クビになることを知っている」となると、「どうするの?」が生まれます。
⑱「問題が簡単すぎる」
問題はあるけれど、「普通にやれば解決するじゃん」となる。すると緊張感がありません。
⑲「問題が大きすぎる」
逆に、「どう考えても解決不可能」でも興味が消えます。「この主人公、何をやっても無理じゃん」となるからです。
⑳「結果に興味がない」
これはかなり本質的です。視聴者が、「それでどうなっても別にいい」と思った瞬間、視聴継続の理由が消えます。
だからストーリーでは、結果そのものより、結果に対して視聴者が感情を持つことが重要。
㉑「緊張感がない」
これも映画やドラマでは結構重要です。
例えば、「主人公が危険な場所に入った」と言っても、視聴者が、「どうせ助かるでしょ」と思っている。すると危険が危険として機能しません。
㉒「何も失うものがない」
これは緊張感と関係します。主人公が失敗しても、何も困らない。なら、視聴者も結果を気にしません。逆に、「失敗したら大切なものを失う」となると、急激に緊張感が出ます。
㉓「感情の起伏がない」
ずっと、普通→普通→普通→普通だと退屈します。面白いコンテンツでは、感情の波があります。
例えば、期待→不安→安心→驚き→絶望→逆転→喜び、といった具合です。
映画などではこれを設計してストーリーを組み立てていると思います。
㉔「ずっと同じ刺激」
これも重要です。最初は面白かったギャグでも、同じギャグを20回やれば飽きる。
これは刺激への慣れです。つまり、刺激が強いことより、刺激が変化することが重要。
㉕「テンポが遅すぎる」
SNSでは特に致命的。視聴者が、「まだそこ?」となる。
ただし映画では、意図的な「間」が面白さになることもあります。つまり、遅い=悪いではなく、その時間に意味があるかが重要です。
㉖「テンポが速すぎる」
これも同じです。情報が、バババババッと出てくる。すると脳が処理できない。
結果、「疲れる」になってしまいます。
㉗「同じことを繰り返す」
解説系動画でかなり多い失敗です。最初「今日は○○を紹介します」→30秒後「○○について紹介します」→さらに「ここがポイントです」→結局同じ話。視聴者は、「もう分かった」となってしまいます。
㉘「結論が先に分かっている」
これもYoutubeの解説系動画で起こります。「日本の不動産価格が上昇した理由」というタイトルで、冒頭に「理由は外国人投資家が増えたからです」と伝え、その後10分説明。視聴者「もう答え知ってる」となっています。
もちろん「結論先出し」が悪いわけではありません。その場合は、「なぜそうなったのか」という新しい問いを作る必要があります。
㉙「タイトルと内容の約束が違う」
Youtube動画のタイトルで「台湾人が日本で驚いたこと10選」だったのに、中身は「日本旅行の普通の話」。すると視聴者は「タイトルと違うじゃん」となる。
これは面白くないだけでなく、信頼を失います。
㉚「自分が騙されたと感じる」
サムネイルやタイトルで好奇心や不安を煽り、リンクやサムネイルをクリックさせようとするの問題です。「絶対に知らない秘密」→実際には誰でも知っている。
この瞬間、好奇心 → 裏切られた感覚に変わります。
㉛「努力に対して報酬が小さい」
これはかなり重要な考え方です。
視聴者は、時間・注意・認知エネルギーを払っています。それなのに、「最後まで見たけど、得たものがこれだけ?」となる。つまり、視聴コスト > 得られる報酬になると離脱します。
㉜「結末の報酬が弱い」
ずっと「このあとすごいことが起きます」→「こちらがその商品です」で終了。
視聴者は「……それだけ?」となる。ここでは、期待値を上げすぎたことが問題です。
㉝「期待値を上げすぎる」
これはかなり重要。面白い動画は、期待 < 実際の体験にします。つまらない動画は、期待 > 実際の体験になっている。
つまり、期待値の設計そのものが面白さです。
㉞「感情を強制されている」
例えば、「ここで泣いてください」というような演出。
視聴者が、「いや、そこまで感動しないけど……」となる。これは、感情の押し付けです。
㉟「説教されている」
特にSNSで嫌われやすい理由です。
「あなたたちは○○すべきです」→視聴者「なんであなたに言われなきゃいけないの?」となる。
情報ではなく、心理的な反発が発生します。
㊱「自慢に見える」
「私はこんなことができます」だけだと、視聴者にとって報酬がありません。
一方、「素人だった自分が1年でここまでできるようになった」なら、成長ストーリーになります。
㊲「主人公が何でもできる」
これは物語で意外と危険です。最初から、頭がいい・強い・金持ち・人気者・何でも成功する、だと、「どうせ勝つでしょ」となってしまう。
弱点や失敗がないと、応援する理由が生まれにくくなります。
㊳「主人公が何もしない」
逆もあります。問題が起きる。主人公は何もしない。周りが解決する。
これでは、視聴者が主人公に感情を乗せにくいです。
㊴「因果関係がない」
Aが起き、突然Bになり、突然Cが起こる。視聴者は「なんで?」となってしまいます。
この「なんで?」は、好奇心ではなく混乱です。ここを間違えると危険です。
㊵「世界にルールがない」
特にファンタジーやコメディ。何でもありだと、何が起こるか予測できないだけでなく、何が起こっても驚けないという状態になります。
㊶「キャラクターが行動原理を裏切る」
例えば、ずっと家族思いだったキャラクターが、何の説明もなく突然家族を裏切る。
視聴者「いや、この人そんなことする?」となる。
意外性ではなく、キャラクターへの信頼が壊れるケースです。
㊷「リアリティがない」
ここでいうリアリティは、現実と同じという意味ではありません。
重要なのは、作品内で納得できることです。
ありえない世界でも、その世界のルールが一貫していれば納得できます。
㊸「既視感が強すぎる」
これもよくある理由です。視聴者「これ、前にも見た」となる。
完全なコピーに感じると、新しい情報がありません。
ただし、既知80%+未知20%くらいなら、むしろ理解しやすくて良いコンテンツの可能性があります。
㊹「新しすぎる」
逆に、全部新しい。設定も、世界観も、キャラクターも、ルールも、表現も、言葉も、未知。
すると、理解コストが高すぎる結果になります。
たまに聞く「時代が早過ぎた」という類のものですね。
㊺「誰のための動画なのか分からない」
ターゲットが曖昧なこと。初心者向けなのか、専門家向けなのか、ファン向けなのか。
全員に向けようとすると、誰にも深く刺さらないことがあります。
㊻「視聴者の期待とズレている」
例えば、「簡単な方法を知りたい」と思ってクリックしたのに、20分間背景説明。
視聴者は「早く方法を教えて」となってしまいます。
これはコンテンツが悪いのではなく、視聴者の目的と構成が一致していないことが問題。
㊼「途中で目的を失う」
冒頭で「○○を検証します」→途中で別の話→別の話→雑談→「では検証します」。
視聴者は、「何を見ていたんだっけ?」となります。
㊽「終わるべきところで終わらない」
これもSNSではかなり重要です。
オチが成立した→さらに説明→まとめ→もう一度結論→CTA→まだ終わらない。
視聴者は「もう分かったって!」となります。
㊾「逆に、終わるのが早すぎる」
期待が、「この問題どうなる?」まで高まったところで「ということで終了です。」となる。
これでは心理的な未完了感が強すぎます。
㊿「そもそも刺激が弱い」
最後は単純。何も起きない。何も変わらない。何も分からない。何も感じない。何も考えない。
これは、注意を向ける理由そのものが存在しない状態です。
では「面白くない」を根本原因まで圧縮すると
同じく50個ほどの問題も、かなり整理できます。
以下まとめたのでご覧ください。
- 注意が発生しない「何それ?」がない
新奇性がない・自分に関係ない・刺激がない・見る理由がない - 好奇心が発生しない「知りたい」がない
疑問がない・謎がない・未来への期待がない・結末が気にならない - 予測が動かない「どうなる?」がない
先が読める・答えが簡単・比較する必要がない・意外性がない - 理解できない「???」になる
情報過多・前提不足・因果関係がない・話が飛ぶ・ルールが分からない - 感情が動かない「ふーん」で終わる
共感できない・応援できない・怖くない・笑えない・驚かない・感動しない・怒らない - 結果に価値がない「別にどうでもいい」
主人公に興味がない・問題に興味がない・成功しても失敗しても関係ない・結末を知るメリットがない - 視聴コストが高すぎる「見るの疲れる」
長い・遅い・情報が多い・分かりにくい・同じことを繰り返す - 報酬が期待を下回る「時間を返して」
オチが弱い・情報が薄い・結末が期待外れ・タイトルと内容が違う・引っ張った割に何もない
改めて「面白い」と「面白くない」を対比
「面白い」と「面白くない」を対比してみようと思います。
これでだいぶわかりやすくなるのではないでしょうか。
| 面白い | 面白くない |
|---|---|
| 知りたい | 知りたいことがない |
| 先が気になる | 先が読める |
| 予想したい | 考える必要がない |
| 意外 | 予想通り |
| 意味のある意外性 | 意味不明 |
| 共感できる | 関係ない |
| 応援したい | どうでもいい |
| 感情が動く | 「ふーん」 |
| 問題がある | 問題がない |
| 結果が気になる | 結果に興味がない |
| 適度に難しい | 簡単すぎる / 難しすぎる |
| 理解できる | 理解できない |
| 展開が変化する | 同じ刺激が続く |
| 期待を超える | 期待を下回る |
| 報酬がある | 見返りがない |
| 自分に関係する | 自分に関係ない |
| 続きを見たい | ここでやめてもいい |
| 見終わって満足 | 「時間を使っただけ」 |
ここからが動画制作ではかなり重要
「面白くない」をさらに一段抽象化すると、視聴者の頭の中に以下5つがどれも発生していません。
- Question「何?」
- Prediction「どうなる?」
- Emotion「え!」「怖い」「分かる」「笑う」
- Identification「自分だったら?」
- Reward「見てよかった!」
逆に言えば、最低でもどれか1つを強く発生させれば動画を見る理由ができます。
さらに面白いのは「面白くない」には2種類あること
- A. 刺激がない:「何も起きない」→ 退屈
例:コンビニに行きました→おにぎりを買いました→家に帰りました
視聴者「うん、そうだよね」
- B. 刺激が多すぎる:「何が起きているか分からない」→ 疲れる
例:コンビニに行きました→突然、店員が宇宙人だった→店が空を飛んだ→巨大ロボットが出てきた→なぜか海に沈んだ
視聴者:「????」
- 理解できる + 予想できる + でも少し意外 → 面白さを生みやすい
例:コンビニに行きました→店員さんに突然『あなた、昨日も来ましたよね?』と言われた
視聴者:「なんで知ってるの?」「このあとどうなる?」
面白い動画は、以下のように視聴者の予想を少しずつ動かしていきます。
普通→ちょっと変→え?→なるほど→さらに意外→そう来たか!
面白さは、刺激を強くすれば生まれるわけではなく、視聴者が「何が起きているか」を理解できる範囲で、予想を少しずつ裏切り、刺激を変化させ続けることで生まれやすくなります。
そしてこれは、「なぜ意外性だけでは面白くならないのか」にもつながります。
「意外!」だけではなく、「意外 → 理解 → 感情」まで行って初めて、強い面白さになりやすい、ということです。
「面白さ」は設計できる
ここまでを整理すると、面白い動画は視聴者の頭の中に以下の流れを発生させていると言えます。
「?」→「気になる」→「どうなる?」→「えっ!」→「なるほど!」→「この人どうなる?」→「頼む!」→「そういうことか!」→「見てよかった」
逆に言えば、「?」がない→「どうでもいい」→「長い」→「まだ終わらない」→「結局それだけ?」となると離脱します。
「なんとなく面白そうな映像」を作るのではなく、以下のことが大事だと感じています。
つまり「面白い動画」を作るというのは、派手な映像を作ることではなく、視聴者の脳内状態を設計することなのです。
特にアニメーションやSNS動画なら、これをさらに「冒頭0〜3秒」「3〜10秒」「10〜30秒」「中盤」「オチ」の各区間で、視聴者の心理をどう動かすかまで落とすと、かなり実践的な「面白さの設計図」になります。
AIで誰でも「動画そのもの」は作れる時代だからこそ、この「面白さの設計」の部分に、これからも一番こだわっていきたいと思っています。「面白い動画をつくりたいけど、何から考えればいいかわからない」という方は、まずは気軽にご相談ください!









