ビジネスアニメーションのキャラクターが決まるまでの工程を解説します (具体例付き)

アニメーション解説記事
田邊裕貴
「ビジネスアニメーションのキャラクターデザインってどんな流れで進めるの??」
「どのように決めたらいいの?」
こういった疑問に答えます。

ビジネスアニメーションを作ったことがなく、登場するキャラクターなんて全然想像できないという方がほとんどではないでしょうか?

この記事ではどのように考えたらいいのか、どのような工程で決まるのかを解説します。今回はわかりやすいように具体的なキャラクターをお見せしながら解説していきます。

 ■ 記事の信頼性
この記事を書いている私は、アニメーション制作をして4年ほど。
ビジネスアニメーションを中心に制作しています。個人デザイナーとして活動し、多数の制作実績があります。

ビジネスアニメーションのキャラクターはどのように考える?

「キャラクターなんて考えたことない」という方がほとんどかと思いますので、まずはどのように考えたらいいのか、ポイントを幾つか挙げて説明します。これらのポイントを先に考えることが大事です!

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キャラクターを使った時の効果について知りたい方はこちらもご覧ください!

アニメーションでキャラクターを使うとどんな効果があるのか?その際の注意点とは?

ターゲット

他の広告デザインでも同様ですが、ターゲットを明確にして好みを分析します。このポイントは絶対に外せないポイントです。

例えば、20代〜30代女性ターゲットの化粧品で、少年誌の漫画のキャラクターを起用して広告キャンペーンをすることはしないですよね。逆に、男性向けの商品の広告に少女漫画のキャラクターを使うこともないでしょう。

事前にターゲットが好みのテイストを調べ、「ターゲットがそのキャラクターを受け入れてくれるかどうか」を最低限考えて作らないといけません!

内容・用途・目的

ターゲットも大事ですが、もちろん内容やどのような場面で、どういった目的でビジネスアニメーションを使うかも大切です。

具体例を挙げると、「キャラクターを使って、精密機械メーカーの会社案内動画を作ろう!」となった時、少しふざけたゆるキャラは使わないと思います。(おそらく。)

「新卒採用向けに使いたい」ということなら、固過ぎるイメージのキャラクターではなく、親しみのあるキャラクターがいいかもしれません。「新規顧客獲得のためにBtoB動画として使いたい」なら、シンプルで少し固いイメージがするくらいのキャラクターを考えるかもしれません。

内容・用途・目的もあらかじめ明確にしましょう。

イメージ

商品イメージや会社イメージなど、既にイメージがあるようなものでしたら、キャラクターもそのイメージに合わせる必要があります。逆に「イメージを変えたい」というケースもあるかもしれません。

イメージできていない場合は、「爽やかな、未来的な…」といったキーワードを挙げてもらったり、競合商品・競合企業のイメージを調べたり、参考になるキャラクターを集めたりと、イメージを具現化していきます。

ビジネスアニメーションのキャラクターの制作工程

前述したことを踏まえて、具体的なキャラクターデザインも見せながら制作工程を説明していきます。

私が普段作っているビジネスアニメーションのキャラクター制作の進め方になりますが、おそらく他でも大体同じかと思います。

ヒアリング

まずはヒアリングから始まり、前章で説明したターゲット、内容・用途・目的などを聞いていきます。

まだキャラクターのイメージがない場合が多いですが、参考イメージがあれば共有します。同時にその参考イメージがターゲットや目的と合わない場合もあるため、しっかりと吟味します。

少なくともターゲット、内容・用途・目的は、明確にします。これが明確でないと、制作工程に移れません!

キャラクター案提出

ヒアリングをもとにして、具体的なデザイン工程へ進みます。

アニメーションのシナリオがある程度決まると、登場人物も決まります。その中でまずは主要キャラクターのデザイン案を幾つか制作します。ビジネスアニメーションのキャラクターはシンプルなものが多いため、幾つかデザイン案を制作することが多いです。

サブキャラクターは作らず、主要キャラクターが決まってから、そのデザインを踏襲して作ります。髪型や服装、背丈を変え、サブキャラクターは作られます。

こちらの具体例は、テイスト幅を持たせてキャラクター案をデザインしています。A案は「シンプルでBtoBにも使える案」、B案は「ポップで親しみのある案」、C案は「親しみがあり可愛い案」です。ターゲットやイメージが明確になっている場合は、頭身比率を同じにし、似たパターンを幾つかご提案するケースもあります。

ブラッシュアップ

デザイン案の中から一番イメージに近く、目的に合った案を選んでもらい、ブラッシュアップをかけていきます。イメージに合わせて色の変更をしたり、髪型を変えたりします。会社で制服など決まった衣装があれば、その衣装へ修正します。

「もう少し可愛い印象にしたい/大人っぽい印象にしたい」という場合には頭身比率を調整します。頭身比率を変えると印象がかなり変わります。

今回の具体例では、A案を選び、スーツをシャツに変更して仕上げています。

デザインコンテ、アニメーション工程へ

主要キャラクターのデザインが決まったら、コンテへ反映させて、その後アニメーション制作の工程へ移っていきます。基本的にキャラクターを修正できるのはデザインコンテまでで、動きを付けてからのキャラクター修正はできませんので注意してください!

デザインコンテへ反映

ラフコンテという、アニメーションのシナリオを簡単な絵にして示したものを先行して作ります。ラフコンテでO Kが出ると、次にラフコンテを清書してデザインコンテを作ります。このデザインコンテの中に、決まった主要キャラクターを配置していきます。

私の場合、サブキャラクターは段階で制作し、デザインコンテで確認してもらいます。デザインコンテでOKが出れば、動かす作業へ移っていきます。

動きに合わせて多少キャラクターに調整を入れる可能性はあります。主に色味の微調整はあるかもしれません。動きを付けて初めて気付くこともありますし、「このシーンでは背景と被って視認性さがるな…」といったことはどうしても出てきてしまいます。そこは柔軟に見ていただけますと、いいアニメーションに仕上がると思います!

繰り返しになりますが、基本的にこれ以降のキャラクター修正はできませんので、ご注意ください!(どこで作っても同じこと言われると思います。大変なので…)

まとめ

キャラクターが決まるまでの流れは分かりましたでしょうか?

意外と思われるかもしれませんが、デザイン案を作る前のヒアリングや下調べがかなり重要です。ここをおろそかにしてしまうと、ターゲット目線ではないものが出来上がってしまう危険性があります。

修正を加えることができるのは、デザインコンテまでなので、そこも注意が必要です。初回デザイン案提出時に修正点を挙げて、イメージに合うキャラクターに仕上げて下さい。

こちらでアニメーションでキャラクターの考え方を説明しているので参考にしてください!


私もキャラクターを使用したアニメーションを得意としていますので、キャラクターアニメーションを制作の際にはお気軽にご相談ください!

制作実績
こちら制作実績ですので、ご興味ありましたら見てみてください!

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