「企業アニメーション作ったことがないので、実際の制作の流れを見てみたい」
こういったご要望に答えます。
普段企業アニメーションを制作していると、お客様がアニメーションの制作工程を全く知らないということも結構あります。
「コンテって何?」「いつ動かすの?」「後からでも修正加えられる?」などなど、作ったことがないと疑問だらけなのではないでしょうか。
今回は実例を用いて、普段制作している企業アニメーションの実際の工程をお見せします。よりアニメーション制作フローがイメージできるように、実際のデザイン提案やコンテも一部ご紹介します。
ではさっそく見ていきましょう。
- 実際のラフコンテ、絵コンテ
- キャラクターデザイン提案
- 企業アニメーションの制作工程
■ 記事の信頼性
この記事を書いている私は、アニメーション制作をして6年目。
企業アニメーションを中心に制作しています。
個人デザイナーとして活動し、企業や官公庁の多数の制作実績があります。
ヒアリング段階
今回は制作依頼することが決まって「これから制作開始!」となって以降のお話です。
金額に関することなど、制作依頼を決定する前のことはこちらの記事をご覧ください。
まずは制作するアニメーション動画の内容やアニメーションのテイストを確認します。
スケジュールもこの時に打ち合わせしていきます。
- 動画の内容(シナリオ、構成、など)
- ターゲット(アニメーションを見せる相手)
- 使用用途(Webサイト、Youtube、展示会用など)
- アニメーションのテイスト(動き具合、トンマナ、カラーなど)
- 進行スケジュール
提案段階
ヒアリングを基に、ここから具体的な制作に入っていきます。
実際のコンテの一部も見ていってください。
シナリオ案の提出
これは案件によって異なるのですが、テキストだけでシナリオを確認してもらうことがあります。
企業アニメーションの場合、ナレーションが入ることがほとんどですので、ナレーション文章の確認です。
初回ヒアリングでシナリオが大体決まっている場合や、予定が短い場合など、この工程は省くことが多いですね。
ラフコンテの提出
必ず最初に提出するものが、この「ラフコンテ」と呼ばれるものです。
「コンテ」という言葉は聞いたことありますか?
動画やアニメーションを作る時には必須となる、設計図のようなものです。
「ラフコンテ」は“ラフ”と付いているだけあって、画面で見せる要素やテロップを大雑把に配置したものです。叩き台みたいなものです。
クリエイターによって多少異なるかもしれませんが、なべデザインではこんなラフコンテを作ってお見せします。
基本モノクロで、キャラクターは男性・女性がわかる程度でかなり簡易的に表現しています。
このラフコンテにはナレーションや大まかな動きもメモ書きとして記載しています。
ここに修正事項をどんどん加えていきます。
この段階は重要で、ここで「ああしたい、こうしたい」というのを全部言っちゃってください!
あと工程になるほど修正が大変になり、最悪「追加料金かかってしまいます…」ということにもなってしまいます。
キャラクターデザイン提案の提出
ラフコンテと同時に提出することが多いのですが、キャラクターデザイン案も提出します。なべデザインの場合は大体3案制作して提案しています。
ヒアリングを基にキャラクターのデザインを考えるのですが、こちらの事例では親しみのあるテイストをご希望で、かつ海外向けビジネスに関わる動画ということで、ちょうどいいバランスの約6頭身で制作しています。
C案は等身比率が小さいとどうなるかをお見せするために加えています。
このように全体のイメージが伝わるようなカットを選んで、一緒にお見せします。
キャラクターが確定前の段階ということもあり、普段はある程度イメージが伝わる完成度で提出しています。
キャラクターが決まれば全体のデザインも決まってくるような場合は、省くこともあります。
キャラクターが出てこない場合は、全体のデザインイメージが伝わる1カット選んで、デザイン案を制作します。
アニメーションは制作するものが多いので、全部のシーンを最初からデザイン案としてお見せすることはありません。
本当に大変ですので…汗
ナレーターの提案
録音する前になりますが、ナレーターの選定もどこかのタイミングで行います。
男性か女性かだけ先に決めて頂いて、何名か候補を提案する形式になります。
声のサンプルを聞いて選んでください。
デザイン制作段階
ここからは修正を加えたラフコンテを清書していきます。
キャラクターのデザインも決定している状況です。
絵コンテ(ラフコンテ清書)の提出
選んで頂き決定したキャラクターデザインを基に、全体シーンのデザインを制作していきます。
ラフコンテを清書するようなイメージです。
先ほどお見せしたラフコンテと選んで頂いたキャラクターを基に制作したものがこちらです。
お客様のイメージカラーがブルーでしたので、全体的にブルーで統一しています。
ここで覚えておいて頂きたいのが、アニメーション段階に入り、動きを付け始めたらデザインの修正は基本的にできいと考えてください。
具体的に言うと、キャラクターデザインの変更、全体に関わるデザインの変更はできなくなります。
テロップ文字の修正は後からでも修正できますし、その辺りは事前確認をおすすめします!
アニメーション制作段階
各シーンのデザインもOKとなりましたら、動きを付けていく段階に入ります。
「ようやくか」と思いますよね? 動かす前にこれだけ準備と確認が必要なんです。
アニメーション動画の提出
「ナレーションは先に録音するの?」と思われるかもしれないですが、最初は仮ナレーションと言って、私が読んで録音したものに合わせて動きを付けていきます。
ナレーションのプロでもなく、上手くないのでご了承ください。笑
その仮ナレーションに合わせて作ったアニメーション動画を見てもらいます。
この段階では細かな動きまでは付けず、途中段階を見てもらう形です。
もし「ここが気になる」などがあれば修正を加えていきます。
前述しましたが、キャラクターの修正など、全体に関わる修正はできませんのでご注意ください。(しつこいですね。)
BGMの提案
この初回のアニメーション提出の際、BGM(音楽)を付けたものも見てもらいます。
数曲の中からイメージに合う曲を選んでください。
ナレーション録音
ナレーション文章が確定したら、ナレーターに本番ナレーションを録音してもらいます。
基本的に本番ナレーションを録音したら変更はできません。
修正がある場合は別途で料金がかかります。
最終確認して完成!
初回アニメーション提出で確認してもらってから、修正があれば修正を加えて、最終仕上げへと入っていきます。
細かいアニメーションも付け、録音した本番のナレーション、選んだBGMも入れ、最終のアニメーション確認となります。
問題なければこれで完成となります!
本当に長いですよね…
今回実例としてご紹介したアニメーションはこちらです。
まとめ
以上になりますが、如何でしたでしょうか?
実例もお見せしたので、少しはアニメーション制作の進め方がイメージできましたら幸いです。
何となくお気付きかと思いますが、この記事を書いている『なべデザイン』では企業アニメーションを中心にアニメーション制作をしています。
「実はアニメーション作らないといけないんです。」など、タイミング良くありましたらお気軽にご相談いただければと思います。ご相談お待ちしています!
相談は無料!お気軽にどうぞ。